CREATE03

山彦

大学生
詳細無し
課長
詳細無し

'08/02/23UP TIME5'23 出演:ふぁーら , KKKKK

memory

紙谷 百合 (かみや ゆり)
詳細無し
水澤 賢治 (みずさわ けんじ)
詳細無し

'07/12/19UP TIME7'07 出演:KKKKK

百合
〈ポタっ…ポタっ…ポタっ…ポタっ…蛇口の緩んだ水滴の…ポタっ。
たぶんその音だ。ループし続けて離れない。…離れない〉

…スキ…キライ…スキ…キライ…スキ…キラィ。
なんでよ!百合はケンちゃんの事大スキなのに、なんでキライで終わるの!
タンポポの馬鹿。キライ!タンポポ大嫌い!(泣)
〈5歳の私が泣いている。初めて恋におちた男の子は、
背が低く、ドッヂボールは避けてばかりの、誰の記憶にも残らない、そんな男の子だった。
でも、私の嫌いなトマトをこっそり食べてくれる、そんな彼が大好きだった〉

…いる…いらない…いる…いらない…いる…いらなぃ。
いいよ、後はあたしが掃除しとく。みんなは先帰ってて。
…チクんないッて。これ以上、いじめられるの嫌だもん。…ぁっ、ごめんなさい(泣)
〈15歳の私が泣いている。癖毛をからかわれ、絵を描く事を気味悪がられ、
独りぼっちの休み時間は、とてつもなく長かった。グループを組む時、私は座ったまま。
いる・いらないのジャンケンで、負けたグループへ入れられる〉

…キレイ?…綺麗だよ…キレイ?…綺麗だよ…綺麗だよ。
ちょっと、ビショビショじゃない!あ~ぁ、着替えは?…無い。ウケる(笑)
え?何であたしのTシャツ貸さなきゃなんないのよ?断る!自業自得でしょうが、バーカ。
…ほらっ、タオル使いな。…使ったね?1枚300円になりま~す♪(笑)
〈22歳の私が笑っている。メイク道具を整え、原宿を歩きつぶし、なりたい自分になる為、精一杯努力した。
告白もした。彼氏も出来た。えくぼを取り戻したその顔は、「幸せ」と書いてあった〉
水澤
だから、綺麗だって
百合
嘘くさ~
水澤
どこが?
百合
誠意が見られないな
水澤
おっさんかよ
百合
…ケンちゃん
水澤
んあ?
百合
あたしの事、好き?
水澤
…大ッ嫌い!
百合
〈彼の記憶に、5歳の私は残っていない。
赤い糸は途切れることなく、私と初恋の人とを繋ぎとめていた。
いつか…そうだ、結婚する時が来れば、5歳の私を彼に思い出させてあげよう。
私はなんて幸せなのだろう…。
あれ?何で、涙が零れてくるの?悲しい事なんて、ひとつも無い筈なのに〉

ポタっ…ポタっ…ポタっ…ポタっ…これは、蛇口の緩んだ水滴の…いや、違う。
涙の音?…ポタっ…ポタっ…それも違う。ポタっ

〈23歳の私が死んでいる。ナイフの切っ先から血が…ポタっと滴り、ループし続けて離れない。
警察の制服を着た男が、ナイフを右手に…左手に?…右手?…左?…右?…左?
…わからない。視界が歪んで…意識が霞んで…わからない。
たぶん…これが走馬灯ッていうのね、ケンちゃん。
…神様。私はあなたの元へいる?いらない?どっちですか?〉

江月 靄 (えづき もや)
20歳。ファーストフード店店員。
ありのままに突っ走る、純真無垢な女の子。
思考の70%は「LOVE」でできている。
宮流瀬 霧 (くるせ きり)
20歳。小劇団の役者、兼パチスロ店店員。
我が道を行く、首尾一貫とした性格。
占い・迷信には、我関せず。
ト書き
「はぁ…はぁ…」と激しい呼吸。爆走中の彼女。
〈私は今、走っています。
理由があるから走ってるワケだけど、取り込んでるんで一言だけ。
彼を助ける為〉
ト書き
靄、公民館の一室に16文キック。
お邪魔しまーす!
〈礼節をわきまえつつ、蹴りで現場の扉を開ける。
そうです、私が変なお嬢さんです〉
あの、彼は?霧はどこに居ますか?
〈情報が正しければ、この湿気った部屋に彼は居る。
プロの役者を夢見る、私の相方さん♪
ウォーリー探して早10年、鍛え抜かれた視力。どこ…〉
降りろ
あっ、霧見っけ!ッて、なぜ私に踏まれてる?
ンガー!(stand up)
うわっ
おめえが扉バーン!で、俺下敷きダーン!な。わかった?
反省…
何しに来た?
えっ
釘刺しといたよな?集中したいから、今度逢う時は舞台の上だッて。
芝居本番まで逢うのやめようッて、決めたよな2人で?
…はい。 でも、緊急事態なの。霧のピンチ!キリピンなの!
はっ?
〈私が見た夢は、現実になる。予知できるのだ〉
昨日見た夢。霧がお芝居してたら、包丁持った誰かに刺されるの!
へ~、そぅ
マジメに聴いて!
舞台の上で死ねるなんて本望だ。
それに今回サスペンス物だしな。ちょうどイイんじゃねぇか?
本当だよ
帰れ
〈これまで一度だって外れた試しが無い〉
信じて!
はーい、押し出し押し出し
ト書き
霧、靄を室内から出す。
霧!
頼むよ。今日は最後の稽古なんだ
でも、
劇場で逢おう
……
すみません、続きからお願いします!
ト書き
扉、close「パタン」。
〈言い返せなかった。彼の瞳が、あまりにも真っ直ぐで〉
ト書き
劇場、1ベルが鳴る「ブーー」。
〈そして、幕が上がった。
終演予定5分前、20時55分に彼は殺されてしまう。
一番奥の席から客の様子を監視する。観劇どころじゃない。
手に汗握る推理サスペンス、パンフレットの文字がちらつく。
私の編まれた指は、祈るように汗をかいていた〉
ト書き
時計の秒針「チチチチチ…」。
〈耳へは時計の秒針が。
刻一刻と、それは確実に、彼を終焉へ誘う音。
既に20時54分56秒…57…58…59…〉
ト書き
「グシャ!」
舞台上、霧が何者かに包丁で刺されている。
…あ…ぁぁ…う……
霧ッ!…嫌…嫌ぁー!
〈舞台へ、私は今、走っています。
理由があるから走ってるワケだけど、取り込んでるんで一言だけ〉
霧ィーーー!!
ト書き
靄、舞台へ上がる。
……
霧ッ、死なないで霧。ダメだよ、死んじゃダメだよ!
〈当たった。やっぱり正夢となった〉
霧…(涙)
降りろ
へっ?
舞台から降りろッ!(stand up)
き…り……霧ぃ~!(笑)
ト書き
靄、霧に抱きつく。
バカッ、んぐぐぐぐ…剥がれろ、靄
生きてる!生きてる生きてる!
(溜息)…ったく。
…あっ、ええっと、お客様、大変申し訳ございません。このような事態になってしまい。
すぐ摘み出しますので。ぇぇ~…その後は、休憩を挟みまして再度頭から…
〈霧は刺された。お芝居の役として。
犯人役の彼を、被害者の妻が心臓めがけ一突きにする。
私は、そんな場面を夢に見たのだ〉
ありがとうございました!
ト書き
拍手喝采。終演。
〈何にせよ、私の予知夢は外れなかった。
この力を私は絶対疑わない。
どんな不幸や災難も、すべてを引き受けると誓った。
…え?なぜ信じられるのか、ですか?
(照笑)
それは2年前、彼と結婚する夢を見たからです〉

めみゅっと様『イツカダレカノ物語10』サウンドドラマ化

Hermes

十瀬 雪 (とうせ ゆき)
詳細無し
銀田一 初 (ぎんだいち はじめ)
詳細無し

'07/11/29UP TIME10'25 出演:卯佐乃心月 , KKKKK

ト書き
豪雨・強風。台風上陸。
〈1973年9月、陸の孤島に洋館、ヘルメス館が建つ。
云われは、森に張られたヘルメスの泉。
イソップ寓話『金の斧 銀の斧』、そのモデルとなった泉である…〉
ト書き
雷鳴。
キャッ。…雷か
雪っ
ギャーーッ!!
何で俺がギャー?
初ちゃん
お前の驚く顔は格別だな
もぉ
で、何読んでんだ?
あぁ、館の説明が書いてあって
へぇ
〈IQ180、かの銀田一耕助の孫にあたる〉
…なるほど
〈名を、銀田一初と発す〉
それで皆「ヘルメスの呪い」ッて騒いでたワケか
〈泉の景観を損ねた罰とし、洋館に住む者、ヘルメスに連れ去られる〉
悪趣味だねぇ
〈館の主、御色尚志氏が行方不明となり、
一時館内は騒然となった〉
神隠しじゃあるまいし、呪いで人は消せねぇのに
〈次に消えたのは、執事の某さん〉
マジシャンが消したッて言う方がまだマシだな
〈そして、メイドのアルバイトをしていた親友の…瑠璃ちゃんまでもが〉
雪、
ぁ、うん?…ごめん。何?
ロビーに来てくれ
え?
謎はすべて解けた
あッ、初ちゃん!
ト書き
足音。二枚扉の開閉音。
振り子時計の音色。
御色さん、某さん、瑠璃ちゃん。3人は忽然と姿を消した。
勿論これはヘルメスの呪いではない、何者かによって消されたんだ
この島に私たち以外の誰かが潜んでるッてこと?
それは考えにくいな。
初日に島を散策したろ?変な人影は見当たらなかった。
なにより、生憎の台風だ。よそから上陸するのも不可能
でも、そうなると…
あぁ。…犯人はこの中にいる!
ト書き
沈黙。
〈ふと、違和感をおぼえた。
私たち2人で訪れたヘルメス館、迎えてくれたのは主と執事とメイド、その3人しかいない。
つまり、3人が消失した今、この館に残っているのは…私と…初ちゃん…だけである〉
犯人は…銀田一初
ト書き
振り子時計の時報。
ありがとな。自作自演に付き合わせちゃって
〈意味がわからない〉
やっぱさ、物足りなくってな~。
近頃事件とご無沙汰だったろ?退屈過ぎてさ毎日。
だからいっそ自分で事件起こせばいいじゃん!そぅ閃いたワケ
〈私は馬鹿だ〉
この事件は二人だけの秘密だ。御内密に
〈ホの字になって、こんな馬鹿と夏の思い出とか…〉
その表情!雪の驚く顔、俺はいつまでも眺めていたい
〈罵りたい…けど語句が浮かばない〉
どぉ?天才っしょ?
…馬鹿
ぇっ、聞こえない?
馬鹿!馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿、馬鹿ッ!馬鹿ーッ!!
ト書き
雪、荒い吐息。
銀田一、溜息。
…まいったなぁ
ト書き
壁にかけられた斧を手にする銀田一。
雪に近づく足音。
〈私は〉
そっか…
〈セピア色に〉
それを言っちゃぁ
〈とびっきりの笑顔で色あせていく〉
おしまいだ
〈きっと、遺影の写真は、そんな感じです〉
ト書き
グシャ。雪、惨殺。
雷鳴。
豪雨・強風。
銀田一、泉に雪を捨てる。
〈ヘルメスの泉に沈めた。
橙色に染まった水面、彼女はすぐに溶けた〉
…帰ろぅ。風邪ひいちまう
待て
ト書き
あぶく音。
泉から女性が現れる。
ッ!…誰だ!…誰か居るのか!?
〈視界が悪い〉
お前が落としたのは、この金の斧か?
え?…ぅぅ、〈金縛りにあったみたいだ〉
…ち、違う
お前が落としたのは、この銀の斧か?
違う〈動けッ!〉
では、お前が落としたのは、この血だらけの斧か?
……ちがう
お前が落としたのは館の主か?
違う
お前が落としたのは館の執事か?
違う!
お前が落としたのは館のメイドか?
違う、違う違う!
お前が落としたのは…私?
ト書き
視界が開ける。
……雪
初ちゃんは嘘つき者だ。
嘘つき者には、罰として、銀の斧で…
うあああああああああああああ!!!
ト書き
斧振り上げる音。

です。ノート

白金 イロハ (しろがね いろは)
詳細無し
白金
バレンタインデー…それは、女子の戦。
あたしにとっても今年は勝負の時です。
手作りチョコはハートよりもクローバーに近い形だけど、
彼への想いを120%詰め込んだつもり。
残り880%は、定番のラブレター。
弟から拝借した自由帳に試し書きしては丸め、
書いては丸め、とようやく完成しましたモノがこちらです。

浅野ヒカルくんへ
ずっと前からヒカルくんのことが…大好きです。
サッカー部マネージャーより

直球ド真ん中!勝負に出ましたねぇ、あたし(グフフ)。
便箋へ清書し、うすピンク色の封筒へそっとしまい込み、ハートのシールでトドメ。
隊長!チョコよーし、ラブレターよーしです!
ぬかりない。
決戦は明日、明朝一番に登校し、机の中へゴーーール!…完璧だ。

さ~て、最高のコンディションで臨むべく、今日は早々に寝ましょ
…ッて、もう7時じゃん!!どんだけぇ~~!
急がなきゃ。早くしないと一番乗り出来ないッて。

と、玄関のノブに手をかけた瞬間…電話が鳴った。

こっのクソ忙しい時に、
「はい、白金です。…あ、カスミ?何よこんな朝っぱらに…緊急連絡網?
……ぇ?…ヒカルくんが、亡くなった?」

受話器ごと崩れ落ちた。
ヒカルくんが心臓マヒで亡くなった。
母親が息をしていない息子を確認したとの事。

…ウソでしょ。

死亡時刻は、今朝の6時頃。
あたしが弟のノートに、彼の名前をたくさん書いていた頃に。

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